肉体には限界が有りますが、心には限界が有りません。
近年子育ての中での躾が喪失して、心を失って来ています。聖士會館では、心を中心に身体を作ると言う考えで武の道を進みます。
全ての基本で有る礼節を重んじ、尊ぶ心、耐える心を身に付けて行きます。想いを正し広い心を養うと技は生きて来ます。
どんなに頑張って稽古をしても齢を重ね過ぎ行く時間と共に、肉体は老いて行きますが、逆に心と技は造られて行きます。
力で支配した肉体は、技に欠け、大雑把な人間に成ります。誰も若い時は此の傾向に有ります。正しく磨かれた心で支配した肉体は技が生きます。加齢と共に老いて行く肉体にも技はどんどん磨かれて行きます。そうすると肉体の限界を超えて心と技で華麗で無駄の無い動きをする様に成ります。同時に頭も活性して来ます。
武術の殺法とは、殺し技なので生涯殆ど使用しない場合が多いと思います。然し、いざと言う時には、磨き抜かれた心身で最高の判断力を持って瞬間にけりを付ける「一撃必殺」を追求する。
医術の活法とは、生かし技です。心と身体を蘇生させる技の事で有り、心を持った人を作る技です。
空手の稽古は、生涯を通じて心の道を歩み、人を作って行きます。世界を敵にし肉体は滅びても心は滅び無い。自己を探求し、真理を体得するには自分の意志で遣らなければ成らない。空手の真髄は以心伝心で有る。
生活に潤いを与える心を持つ事は、広く世界を見渡す事が出来るから平安で有る。武人とは普段は静かで穏やかで、心身共に若々しく活き活きとしていなくてはいけません。
千日の稽古を以て基本を身に付け、万日の稽古を以て技を身に付け、生涯の稽古を以て心を養う。