梅は6月上旬から出回ります。果実が黄色を帯びてふっくらし、傷や黒い斑点の無い梅を選び、塩漬けにする。5〜7日で白梅酢が上がります。6月中旬頃、赤紫蘇の葉が出回る頃に梅酢に赤紫蘇を入れ、7月中旬から下旬に(晴天が続く時に)土用干しをする。
【材料】
始めに用意する物
容器(瓶)
押し蓋(容器の直径因り一回り小さい洋皿を使うと黴が出難い)
※瓶と押し蓋は熱湯を注いで火に掛けて消毒し、水気を切って天日で乾かす。
重し(4〜5kg:梅の重さの2倍)
梅2kg
塩(粗塩:梅の重さの15〜18%)300〜360g
焼酎(35度以上)適宜
次に、
赤紫蘇の葉3〜4把(400〜500g)
塩100〜200g
保存(土用干しを終えてから)
焼酎(35度以上)適宜
【手順】
1.竹串で梅のなり口の黒い部分を取り除く。此の時に傷や黒い斑点の有る物は梅酢の濁りや黴の原因と成るので取り除く。
取り除いた梅を洗って水気を良く拭き取って昆布と共に雑穀酢か米酢に漬けて梅昆布酢を作る。寿司酢や魚の酢締め、ピクルス等に使用すると梅の風味を楽しめる。密封して涼しい場所に保管すれば一年間は持つ。
2.梅をボウルに入れ、霧吹きで焼酎を吹き掛けてから水で洗い、タップリの水に6時間から一晩浸けて灰汁を抜く。其の時間は梅の熟し具合で加減する。熟した梅程時間を短くする。
3.瓶の底に塩を一握り振る。梅に塩を塗して平に成る様に容器にピッタリと並べる。全体の1/3量程梅を入れたら、塩大匙1〜2杯を振り入れ、又、残りの梅を入れる。此を繰り返す。
4.塩を全部瓶の上の方程多く成る様にすると梅酢が上がり易い。
5.押し蓋をして重しを乗せる。押し蓋が傾くと上手く漬からない場合が有るので注意する。埃や塵が入らない様に紙で覆い紐で括り通風の良い涼しい場所に置く。
6.5〜7日で漬け汁(白梅酢)が上がって来る。梅が漬かる位残して綺麗な瓶に入れて取り置き、重しを半分に減らして再び紙で覆い、紫蘇入り梅干しを作るなら赤紫蘇の葉が出回る時期(6月中旬頃)迄、紫蘇を入れないなら此の儘土用(7月20日頃)迄漬けて置く。
取り置いた白梅酢は、茗荷や生姜等の漬け物、酢の物の風味漬け等に使う。
7.赤紫蘇は軸を残さない様に葉を摘み取り、水で綺麗に洗って笊に上げ、良く水気を切る。浸けて置いた梅は、一旦瓶から取り出して笊等に上げ、白梅酢と分けて置く。
8.赤紫蘇の葉をボウルに入れ、用意した塩の1/3〜1/2量を振る。両手で握り込む様に、しっかり擦り合わせながら揉み、濃紫色の灰汁が出て来たら固く絞って絞り汁を捨てる。此を1〜2回繰り返す。
9.7の白梅酢から大匙2杯を掛け、又、揉んで絞り、絞り汁は捨てる。此を1〜2回繰り返し、残りの白梅酢を全て注ぎ、梅酢に色を馴染ませる。
10.笊に上げた梅の半量を瓶に戻し入れ、赤紫蘇の葉の半量を覆う様に乗せる。残りも同様に交互に戻し入れ、色を馴染ませた梅酢を注ぐ。押し蓋をして梅酢がヒタヒタに被る程度に重し(0.5〜1kg)をし、紙で覆い紐で括り通風の良い涼しい場所に土用迄置く。
11.土用の頃、晴天の続く日を選び(出来れば満月の日を選びたい!)梅と赤紫蘇の葉を干す。梅を梅酢から取り出し、一つ一つ丁寧に笊や簾等に並べ、時々裏表を返しながら三日三晩以上天日と夜露に当てて干し上げる。赤紫蘇の葉は汁を絞って干す。
赤梅酢も最低一日は天日に当てる事。
雨に濡れると固く成るので降りそうな時は早めに室内に取り込む。若し、夕立等で濡れた場合は、サッと洗い、焼酎を吹き掛けてから梅酢に戻し入れ、晴れてから、又、干し直す。
12.干し上がったら瓶に戻して、梅干しの上に赤紫蘇の葉を覆う様に乗せて、最後に赤梅酢を其の上に掛ける様にして戻して保存する。食べ始めは年を越してから、身体効果率が上がるのは1年経ってから。出来る事ならば3年以上経ってから食べ始める方が良い。
梅干しを瓶に戻す時に、焼酎を霧吹きで吹き掛けてから戻すと円やかな味に成る。
赤紫蘇が余ったら柴漬けにしたり、干してゆかりにしたりする。
【トラブル】
梅酢が濁ったら、梅は焼酎で洗って日光に当てて干す。漬け汁は二重にしたガーゼでゆっくり時間を掛けて濾してからボウルに入れて一日日光に当てる。更に、赤紫蘇が出回って居れば、早めに入れる様にします。
黴の前兆は、梅酢の表面や梅酢に漬かって居ない梅に付きます。白くて小さい物なら綺麗な布か紙で取り除く。広がり掛けて仕舞った場合は周囲の梅酢ごと除き、梅は焼酎で洗って日光に当てて干す。漬け汁は二重にしたガーゼでゆっくり時間を掛けて濾してからボウルに入れて一日日光に当てる。更に、赤紫蘇が出回って居れば、早めに入れる様にします。其れでも梅酢の濁りが取れない場合は、ステンレスか琺瑯鍋に移して火に掛けて沸かし、灰汁を除いて冷まし、瓶は綺麗に洗って日光に当てて乾かしてから漬け直す。