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 自然とは人間の社会から離れた立場で考えた有りの儘の天地万物で有り、人工では無い。

 空手道の立ち方で自然体と言う立ち方が有る。一番基本的な立ち方で有り、全ての始まりで有り終わりで有る。足を左右に肩幅開き、足の角度は60°にして力を抜いて立つ。呼吸は相手に読み取られ無い静の呼吸をし、気を発せず、空気の様な風の様な感覚にする。長時間立って居ても疲れず自然の儘で居られる立ち方は、聞こえ無い音を感じる様に成らなければいけません。四方を敵に囲まれた時に背面に居る敵の心の動きを掴めなければ身を守る事が出来無い。一番大事な事は、常に背後を見る目を持つ事です。其れは、全ての状況に対して瞬間に対応出来る立ち方で、機に発し感に敏成る事です。

 身体を柔らかくして、周りに同調した感覚に成って居ると不意に外的な力が加わっても自然に其の力を吸収して仕舞うので、障害は少無い。此は正座でもそうで有る。

 正座は、足の母指をくっ付けて座り、踵と踵の間に臀部を填める座り方をする。姿勢は安定して疲れ無いし、外敵に対して瞬時に受けや攻撃の反撃に転じる事が出来る。

 歩き方は肩に力を入れずに、目線は進行方向を向き、手足は自然に振り、足は自然に踵から着く。身体のバランスが取れて居ると身体は傾か無いから姿勢が良く、滑らかな手の振り、足運びで周りの人が見て居て気に止め無い歩き方で有る。静かな歩行で有る。左右に身体を振ったり、猫背や足を引きずったり、パタパタと音がする様な歩き方は不自然で有る。

 聖士會館の組み手の構えは、自然立ちから肩幅1/2狭め、右構えの場合は右足を、左構えの場合は左足を肩幅分前方に出し、前足は真っ直ぐ、後ろ足は45°〜60°にして、少し頭部を前方にして顎を引き、臀部を後方に移動し重心を下げ、両手は下ろした状態から自然に顔面を守る様に、そして、前手は相手の顔面に向けて突き出し、後手は其れに添えて構える。自然な構えで有り安定して居る。

 心身共に安定していると自然に綺麗(正しい姿勢)に成ります。稽古を重ね食生活全てに於いて正されて行くと、普段の生活でも無理・無駄が無くなって行きます。特に空手では、中心軸が正された姿勢は中心力を高めるので、正しい基本を学び身に付ける事が大切です。

 自然体とは無駄も隙も無い自然の形です。

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