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 空手の道は自分の人生で有る。

 入門から、少し空手が解って来て喧嘩に明け暮れた時代は力の空手で有った。若い時は体力が有ったから、身体作りを遣ると直ぐに筋肉が出来て来ます。筋肉が付いて来ると凄く力が付いて強く成った様に思って来るものです。然し、私は道具は使わなかった。道具を使って筋肉を付けると意外に自由組み手や喧嘩は弱く成る。自分の身体を使って、拳立て、腹筋、倒立歩行、走り込み、這い等を遣った。要するに器具を使った風船の様な筋肉では無く、筋金入りの筋肉を付けた。そんな時代が懐かしく、又、其れが今の自分の基本だと思います。多くの経験を元に判断力を養った。

 学生時代には剣道と柔道を少し習った。現役の頃はキックボクシングを習った。其れから、拳法と太極拳も少し習った。然し、私にはスポーツよりも武道としての空手が向いている。背が低いし、体重が軽いから実生活に真実を知る無双原理、心を作る奥深い思想、そして、実戦を想定した技術体系の武道としての空手が自然で有る。だから、今も武道空手の追求をする。

 今も考えが変わら無いが、基本を徹底的に研究して、完璧なる基本を身に付ける。此は生涯に於いての宝に成ります。何故なら全ての空手の技の基本で有り、人生の基本でも有ります。だから、生涯を通じて追求する。

 齢を重ねて来ると、体力が低下して来るが、技は向上して来る。体力で闘おうとせず、捌き、抜き、掛け、崩し、逆、固め等を重視する様に成る。最小の動きで確実な技を決める様に組み手の方法が変わって来ます。どんどん頭を使う様に成って、理想に近づいて来ます。そうすると、大きな者因り小さな者の方が陽性だから力を持って居ると言う事が解ります。但し、技を持って居無ければ(基本が無ければ)力に負ける場合が有ります。

 此は普段の生活の中でも同じ事が言えます。研究して来た事は決して忘れ無い。そうすると益々知識が溜まって来て、いざという時に応用や工夫が利きます。溜めた知識や勘は枯れる事無く、後輩に良き助言を与えられるものです。そして、後輩から気付かせて戴く事も多い。人生(武道)とは奥深いものなのです。極めは以心伝心です。

 修行すればするだけの得るもの(悟る事)が有ります。奥義や真髄は自己の内の中で見付けるものなのです。

 空手の道を歩み、其の教育や技術、心は人生と一体と成って居ます。正しい生き方、其れ故人生に迷わず・・・・・・

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