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 空手の基本稽古は、実戦では有り得無い内八字立ち、騎馬立ち、前屈立ち、後屈立ち等の立ち方を多く行う。正中線を正し、其れに伴った筋肉とバランスを養います。そう言う稽古を繰り返し行い正しい基本が身に付くと、騎馬立ち、前屈立ち、後屈立ち、四股立ち等では移動や動作はし難いし遅いと言われますが、実際は稽古を重ねて有段者に成ると意外に速く移動や動作する事が出来ます。此は正中線がしっかりして来て、全身のバランスが取れて仙腸関節を中心に腰の可動がしっかりして来た為です。又、基本動作は実戦の動きより動作が大きいのですが、繰り返して稽古を行って身に付くと、実戦では理に適った無駄の無い最短距離・最速の動きをします。

 形においても、前屈立ち、後屈立ち、騎馬立ち、四股立ちとか閉足立ち等を行いますが、此も同じ事が言えます。

 聖士會館の組み手立ちは、前後に肩幅、左右に肩幅の半分の半身の立ち方をして腰を落とし構えの手は前方に伸ばし(前手は相手の顔に向けて、後手は其れに添え手)懐を深くしますが、基本がしっかり身に付けば移動や動作は速い。

 技の基本とは心の基本、身体の基本に通じ、心も身体も基本的に構築されて、心身共に充実して来ます。そうすると丹田に気が充実して生気が漲って来て、時の見計らい、速度、力量が増して技に切れが出て来て、其れが自分の思いと同調する様に成ります。其れが技です。技が思いの儘に自由に使える様に成り、其れを心象(イメージ)出来る様に成ったら、心象を自由に操れる様に成るのが術です。

 生活して行く上に、空気が無ければ私達は10分と生きて居られません。普段は自律神経の働きによって自然に行われて居る呼吸ですが、自発的に呼吸する事も出来ます。自発的に行う呼吸法は技と密接な関係に有り、呼吸法を行う事によって術の上達も速く成ります。そして、心象を行う事によって更に上達は速く成ります。又、補強等の長時間に渡って筋力を使い続ける場合、吸う吐く吐く、吸う吐く、吸う吸う吐くと言う呼吸を繰り返すと息が何時迄も続き、運動し続ける事が出来ます。呼吸は原則として鼻で息をします。運動している場合は、鼻で吸い口で吐くと言う呼吸法に成ります。

 聖士會館空手稽古の準備動作として、バランスコントロール運動、胎児運動、犬歩き、同側同調運動、倒立歩行を行いますが、此は全身を正す操作で、全身の血行を促進し、骨格を正し、心身共に充実させる為の動作です。心も身体も準備完了と成ります。此の準備動作は技に切れを加えます。

 私は、自己浄霊して頭で動くのでは無く、心で動く様にすると、何時しか相手が攻撃して来る前に、相手の幽体が先に動き、其の後に肉体が同じ動きをするのが見えますから相手の動きの前に相手を制する事が出来ます。言霊や丹力、瞬発力や集中力、想念術や体術と言うものは、何十年と稽古をする中で技を研究している内に自然に身に付くか、加えて極めた先生に指導を受けて心と身に付ける。歳をとって体力は失って行けど技は輝いて行くものだ。

 達人と言われた人は何十年も稽古をして、体術、想念術、神霊術と言うものが身に付いたが、其れは技を追求した結果、心が出来、正中線が正され、身体が正された結果です。気と言うものは心で有り、幽体と言う物質です。幽体の質量が肉体の質量を超えて大きく成った分だけ気が大きく成ります。そして、気とは心で有り、思いで有り、想いです。体術、想念術、神霊術とは心の技ですから、稽古を何十年も積み心と技を究めた武道家は技から心を究め心の術を得ます。
 体術とは、相手の気を読み、応じて身体を反応させる事で有るが、先の先の先の気を読み行動に移す事で有るが、必ずしも肉体だけを動かすのでは無い、中心で有る幽体を先に動かせて相手の行動に制限を掛けたり制したりするので有る。気合いとは幽体と肉体を同調させる事で有り、無限の力を生み出す方法で有る。

 術とは、心の現れです。食生活を正し、武人としての自覚をし、心を正し、心の存在を確認し、幽体の存在が主で有る事が出来れば簡単に術を駆使する事が出来ます。

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