空手を修業するに当たり重要な事は、礼節、基本、形の修得が大切で有る。
基本や形を幾ら遣っても実戦とは関係無いと思われがちですが、此の基本や形は全ての技の基本の写しですから、幾ら稽古をしても遣り過ぎと言う事は無く、武道空手を身に付けるのは生涯に於いて修業し追求するべきものです。
基本や形には全ての技術や心の基本が織り込まれて居り、頭に身体に自然に覚え込む迄身に付けなければ成りません。
基本には、立ち方、構え方、間合いの取り方、時の見計らい、受け方、捌き方、崩し方、突き方、蹴り方、力の強弱、感覚、体術、想念術、呼吸法 、心構え等が含まれて居り、何万回何十万回と稽古をする内に其の奥深さが見えて来ます。基本は、移動せずに行う基本と移動基本とが有ります。
形とは実戦を想定した基本です。此の形にも基本と同様に、立ち方、構え方、間合いの取り方、時の見計らい、受け方、捌き方、崩し方、突き方、蹴り方、力の強弱、感覚、体術、想念術、呼吸法、心構え等生活に密着した護身の法が含まれて居り、其れを左右前後に展開して居ます。
空手が独修出来るのは、此の基本と形が有るからだと言われて居ます。
形には、前屈立ち、後屈立ち、騎馬立ち、不動立ち等の立ち方、正拳突き、裏拳打ち、肘当て、鉄槌打ち、前蹴り、回し蹴り、横蹴り、後蹴り等の攻撃、小手受けや払い、手刀受け等の受けや払い、捌き、崩し等の技を主として居る。腰を落とした受けや突き蹴りが多いので、速度感に欠けるのですが、其れを何万回も何十万回も稽古する内に、組み手の時には自然と最高の技を出して居る事に気付きます。又、特殊な構え方、受け、捌き、崩し、攻撃、移動、手足の武器を使用した形が有るが、上達に連れて身に付けて行きたい。
形の稽古を行うに当たり注意すべき事は、
1.礼に始まり礼に終わる事。
2.用意の姿勢(心構え)は演武の始まりです。何処から敵が襲って来ても瞬時に対応出来無ければ成りません。
3.常に敵を仮想する。四方に敵が居ると想定して受けや攻撃(反撃)を行う。
4.気合い。敵に止めを刺す時に、気迫と力が一致する様に腹の底(丹田)から気合いを入れる。
5.残心。止めを刺した相手に目を離さず、最後迄隙を作ら無い。
以上の事を心掛けて演武すれば形は急速に上達する。
武道空手は武器も同時に稽古しますが、普段、形は空手(何も持た無い手)で行いますが、武器を手にしても演武する事が出来ます。空手の手技は剣道の技と良く似て居る。
武道空手は自分との闘いでも有り、地道な基本技や形の稽古を黙々と行い、其の中に含まれて居る先人の知恵を如何に奥深く感じ研究し、修得する事が大事で有る。