包丁の研ぎ方と器具の管理

 

《研ぎの手順と其の道具》

 刃物を研ぐには砥石が必要なのは言う迄も無いが、砥石には「荒砥、中砥、仕上砥」 と目の粗い順に三つの種類が有ります。
 砥石の其其の役割を簡単に言うと次の通りです。

 荒砥=刃毀れや、切刃の減りを修正し、包丁の形を大まかに整える「荒研ぎ」に使用します。

 中砥=刃を付ける「中研ぎ」に使います。此の三つの砥石の中でも普通、中砥の使用度が一番高い。普通の家庭では此の中砥があれば大体間に合うでしょう。

 仕上げ砥=切れ味を加えたり、中砥で付いた切刃の傷を取る鏡の様に顔が映る迄滑らかに研ぐ事が出来る。


1.研ぎでは水を使う為、場所は矢張り台所の流し台が一番良いでしょう。砥石の下に濡れ布巾を敷いて研ぐと、滑ら無いで研ぎ易く成ります。自分の研ぎ易い姿勢を選ぶ事です。

2.砥石は10分か20分程水に漬けて、たっぷり水気を吸わせて置く。砥石に包丁を当て、水を掛けながら初めはやや力を込めて研ぎ、暫く研いだ後刃先を見て「刃返り」「捲れ」を感じる様なら水を減らしてゆっくり研いで行きます。

3.砥石は成る可く片減りをさせ無い様に途中で何度か前後を入れ換える。水を使うのは砥石の目詰まりを洗い流して面を綺麗にする他、研ぎの摩擦熱で焼きが戻るのを防ぐ意味が有ります。砥石が乾いて来たら、砥糞を流さ無い程度に水を足して行く。

4.研ぐ時は切刃を砥石の面にぴったりと当てて浮かさ無い様に気を付けて研ぎます。  此の角度を保った儘、包丁全体を動かす様にして研いで行きます。動きに斑が有ると、切刃は丸刃に成ってしまうからです。慣れ無い内は包丁を構えたら、体毎動かして研ぐ様にしたり、或いは研ぎの往復運動を短くして見ると上手に研げる事が多い。

5.包丁の持ち方と構え方は刃を裏返す(刃先を逆にする)方法と柄を持ち変える二通りが有る。刃先が手前に来て居る時は、押す時に力を入れ、引く時に弱める。刃先が向こうに有る時は引く時に力を入れ、押す時に力を緩める。

《包丁の管理》

 包丁は料理をする時に必ず使う大切な道具です。切れ味の良い包丁を備え、上手に使 いこなす事は料理上手への第一歩です。包丁の選び方や使い方、手入れの方法等、簡単 に紹介します。
 日々、家庭で使う包丁はきちんと扱えば一生物の道具です。其の為にも正しい使い方 と供に、きちんとした包丁の管理方法を知って於いた方が良いでしょう。

 包丁の管理に就いては二つの点から考える必要が有ります。一つは包丁の本来の機能 で有る切れの良さを保つ「研ぎ」の事で有り、もう一つは毎日の手入れ、要するに使用 した後清潔に保管し、錆、汚れが生じ無い様にする事で有ります。

 地味で煩わしい作業だが、包丁を使いこなす事と管理する事は表と裏の関係に有りま す。管理を怠って切れ無く成った包丁は危無い。切れ無いとどうしても力で切ろうとす る。余分な力が入ってしまうから、手元は狂って手指を切り易い。又、包丁の切れ味の 善し悪しは料理の味にも関わる問題で有る。研ぎの甘い包丁で切った材料は見た目に劣 るばかりか、細胞の断面をグチャグチャにして味を損ねてしまうし、煮物にしても野菜 には味が染み込みにくく成ってしまいます。身体効果率も低下する。

 次に、包丁の柄等に殺菌が付き易いので使った後は磨き、熱湯等で良く洗って、乾燥 させて錆が生じ無い様に心掛けて下さい。
 日頃の包丁には気を遣い、包丁の管理を保つ様にして置か無ければ成ら無いのです。

《包丁と身体効果率》
 料理する際に、野菜に包丁を近付けると野菜は気絶します。其処で、良く切れる包丁で切ると即死しますが、切れ無い包丁で切ると痛くて覚醒します。そして、刻まれた痛さで、又、気絶します。其れを繰り返す内に体力が尽きて死にます。要するに、新鮮さを失い、身体効果率が落ちて仕舞います。

     野菜の大切な命を戴くには、新鮮で身体効果率が高い状態で戴く事が大切です。此は料理の基本です。

 

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